MT4のEAで行われる両建てとは
MT4のEAで時折見かける両建てとは、「買い」と「売り」のポジションを同時に保有することを指します。売り・買い両方のポジションを持つことで、相場がどちらの方向に動いても大丈夫な状況にしておくのです。損失のリスクを抑えるため、一部トレーダーには人気の手法です。
たとえば、1ドル=110円で買いポジションを保有します。そのときに相場が予想外の方向に動き、1ドル=108円に下落したとします。本来であれば、2円の含み損です。しかし両建ては1ドル=109円になったタイミングで売りポジションも保有します。そうすれば、含み損を1円に抑えることができます。この両建ては急な為替変動の際に大きく力を発揮します。両建ては大きな損失を抑えてくれるからです。
しかし両建ては保有するポジション数が増えることからスプレッド、つまり取引コストがかさみます。同時に売り・買いポジションを保有するのでスプレッドが二重にかかってきます。またポジションを切るタイミングが難しいため初心者には難しいというデメリットがあります。ただし決済のタイミングに関しては、MT4のEAを使えば自動で行ってくれるのでEAトレードであればあまり気にする必要はないでしょう。
この両建ては、一見リスクを抑える手法に見えますが、FX会社からするとゼロカットシステムを悪用される可能性のある手法です。相場が大きく動いたときにロスカットとなる大きな損失を出しても損失をFX業者が負担し、ユーザーはもう一方のポジションで出た利益だけを得られるからです。そのためFX業者によっては、両建てや両建てのEAの利用を禁止しているところもあります。禁止行為が発覚すると、口座凍結やペナルティが課されることもあるのでルールには従いましょう。両建てEAを使う際は、十分に検証した上で利用してください。